2009年6月29日月曜日

子どもにスポーツをさせるな:小林 信也 著 【心技体】 その3

子どもにスポーツをさせるな:小林 信也 著 2009/06/10 中央公論新社


小林 信也 氏 (スポーツライター)小林 信也の書斎

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↓本文より:

☆終章 大好きな気持ちを育てる

「大人たちが毒され、ずれてしまっている」

 プロスポーツが巨額の収入と結びつく時代になった。子どもがスポーツに取り組む目的
が、「健康増進」「心身の育成」「仲間づくり」だけでなく、「将来プロとして巨額の収入
を得るための英才教育」という明確な道筋を持つようにもなった。そんな中、各競技団体で
は、それぞれ熱心に「ジュニア育成プログラム」を展開している。

 その原点には競技を愛する純粋な思いがあると信じたいが、組織となり、運営・経営を担
う立場になると、そしてその競技に関わるビジネスを生業にすると、「競技の普及」「競技
人口の拡大」「人気獲得」は利益のための欲とも深く絡んでしまう。そうなると、ジュニア
の育成も、その子どもの将来のためではなく、ビジネス繁栄の要素にすぎなくなる。


 もう一度、スポーツはなぜ奨励されるのか、なぜ少年少女が取り組むべき貴い活動なのか
を、しっかり見つめ直す必要がある。それはお金のためだけではなく、一部の大人の利益の
ためでもないはずだ。



 「子どもが夢中になるのはお金のためじゃない」

 子どもたちは何のためにスポーツをするのか。社会はなぜスポーツを肯定的に支援するの
か、その原点や理念を根本に置く姿勢が見失われている。

 しかしそろそろ、原点に帰るときが来たのではないか。私たちは、「文武両道を求め、
スポーツを通して子どもの人格を磨く」という、本来の目的を片時も忘れてはいけないのだ。
たとえ目の前で勝ちたい試合が展開されていても、勝つ以上に自己を鍛える価値を優先する
のが、親の正しい姿勢だろう。

 スポーツという熱い分野、試合の興奮の中でそれを維持するのが容易でないことも私自身、
知っているが、それでもこの姿勢は守らなければならない。

 それを一瞬でも崩してしまえば、スポーツは積み重ねの利かない、ただの消費的娯楽と
なる。そして、子どもたちの心身を逆に蝕む方向に進み始めてしまうからだ。



☆おわりに

 観客さえも心臓が飛び出すくらいの緊張する場面で、最高のパフォーマンスを演じてのける
選手を突き動かすのは、言葉には表せない意志の力、身体の奥からわきあがってくる情熱と
意欲。それはまさに、「できる!」と感じて動く潜在的なエネルギーだ。そして、「自分と
の闘い」に勝つことで得られる成長と感動。それこそが、スポーツに取り組む目標であろう。
子どもたちにスポーツをやってほしいのは、こうしたことで得られる喜びに目覚めてほしい
からだ。そしてさらなる自分に出会うために、日々、日常生活から努力をしようと自発的に
感じて生きる姿勢を身につけてほしい。

 日本人は、そうした「内面の力」を内に秘めている。その力を育み、伸ばすことがスポーツ
に取り組む意義であろう。それが、目的を誤りかけているスポーツ界が本来、目指すべき道筋
だと信じている。最近は、身体より頭脳が大事だと考える価値観が世の中を支配している。
それはとんでもない誤解であり、おごった発想だと思う。人間の身体は、頭脳より遥かに
スピードが速く、行動力がある。しかも、研ぎ澄まされた身体は瞬時の判断を誤らない。

 頭脳の命令に支配され、身体の感性が鈍った大人ほど、理屈に支配され、理屈にだまされ
る。いまの日本社会の腐敗や混迷はその果てに起こった現象だと思う。

 私たちは真剣に、頭脳ではなく、身体で生きる習慣を磨き、身体でできる人間を目指さな
ければならない。

 子どもたちには、スポーツを通じて、そのような身体を磨き、感性を伸ばしてほしい。
大人の鈍った感覚で子どもの才能をつぶすのではなく、子どもの秘めている力の扉を開けて
あげる、その後押しをするのが親の務めだ。

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「スポーツとお金」「日本人・人間・習慣」「身体と感性」「子どもと大人」についての内容
が印象的だ。

運動あそび塾【しらさん家】も月会費(いわゆる月謝)で成り立つビジネスモデルであり、また
地域のミニバスケットボールのコーチングの場面でも、親との関係で難しいケースもあり、
考えさせられる機会となった。

スポーツ支援においては、ボランティアと料金を要するかかわりの線引きがまだまだ課題だと
感じているが、将来プロでお金を稼ぐための先行投資としてではなく、『人格を磨く=ヒトづくり』
への感性価値を認めていただいた対価によるソーシャルビジネスの確立に挑戦し続けたい。


ジュニアとシニアの運動あそび塾 しらさん家 株式会社 笑足ねっと わらかしねっと

2009年6月25日木曜日

子どもにスポーツをさせるな:小林 信也 著 【心技体】 その2

子どもにスポーツをさせるな:小林 信也 著 2009/06/10 中央公論新社


小林 信也 氏 (スポーツライター)小林 信也の書斎

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↓本文より:

☆第7章 子どものスポーツと生活習慣

「心底『好きだ』という気持ちを育む」


 2. 基本は「しっかりと立つ」、身体をひとつにする

 大地に根を張り、内面から湧き出す「本質的な力」で投げ、打ち、走る。
 しっかりと立ち、「身体をひとつにする」ことで生まれる本質的な力を基本にする。
 筋力(部分体)で出す力は弱い上に、相手に読まれやすい。部分体の力は呼吸が詰まり、
居着(いつ)きが生じる。腕に力を入れると、足が動かない、などの弊害がある。
 本質的な力とは「身体をひとつにする」ことでおのずと出る力だ。きちんと生活している
日本人なら、昔から普通に使っている力である。
 リラックスして「力を抜く」のではなく、「自然体」でプレーする。

 大人たちは頭で考えて身体を動かす習慣を身につけ、身体が本来持っている力を制約する
回路に支配されている。そうした大人が教えれば教えるほど、子どもたちは鈍った身体に
なる。
 一方、子どもたちの身体は敏感なので、まだ身体の感覚によって、理屈抜きに本来の力を
発揮できる。


 7. 「子どもの方がわかっている」

 大人の思い上がりを捨てて謙虚に取り組むことが、子どもをサポートする基本だと感じて
いる。
 子どもは「自然にできる能力」を持っている。子どもの身体感覚は、大人より遥かに優れ
ている。
 「やろう」と思えば「身体で自然にできる潜在能力」を、子どもは失わずに秘めている。
 大人は、頭の命令で動く癖をつけてしまっていて、身体が自由に動かなくなっている。
自分ができないから、子どもも「できない」「わからない」と思いがちだ。心技体の基本も、
大人の多くは頭で考えて「よくわからない」というかもしれない。しかし子どもたちにやら
せてみると、大半は理屈抜きにできる。その違いを謙虚に認める必要がある。
 親や大人はコーチというより伴走者。子どもへの敬意を持ち、謙虚に子どもから学ぶ姿勢
を忘れずに取り組む。「子どもの方が、わかっている」からだ。

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『好きこそコトの上手なれ』:運動あそび塾【しらさん家】のスタッフで共有しているコトバ
のひとつだ。

『遊び』の追求は、『好き=自分らしく愉しむ』をつなぐチカラだと捉えている。【自愉力】



【しらさん家】の運動あそび教室では、ジャグリング(お手玉)にみんなで挑戦する時間をほぼ
毎回つくっている。

あまり手とり足とりスタッフがかかわるコトはあえてしていない。ポイントを見て理解し、
『自分の身体感覚』につなげる経験=『できる』感動を積み重ねていってほしいとの願いも
ある。

教室なのに「教えないの?」と感じる場面もあるかもしれない…
『頭で考えての動き』をつい伝えてしまいがちだが、一人ひとりの自分らしい潜在能力を
「頭で考えるコトをはじめからは教えない」かかわり方でいかに引き出していけるかに
こだわってみたい。


ジュニアとシニアの運動あそび塾 しらさん家 株式会社 笑足ねっと わらかしねっと

2009年6月22日月曜日

子どもにスポーツをさせるな:小林 信也 著 【心技体】 その1

子どもにスポーツをさせるな:小林 信也 著 2009/06/10 中央公論新社


小林 信也 氏 (スポーツライター)小林 信也の書斎

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↓本文より:

☆第7章 子どものスポーツと生活習慣

「日本には、心技体を鍛える生活習慣があった」

 さらに希望を抱いたのは宇城師範から、「日本人の生活習慣には武術の要素が根付いてる」
と教えられ、実感してからだ。正座、お辞儀、座って食事をする、正しく箸を使う、正しく
鉛筆を持つ、雑巾掛け、等々、これら当たり前の行動で身体がひとつになり(心技体が一致し)
自然と姿勢が身につき、筋力に頼らない「本質的な力」が出る。武術を学ぶ基本は生活の中に
ある。日常こそが修行の場と実感して勇気を感じた。これならば子どもと一緒に毎日、取り組
める。

 かつての多くの日本人は、歳を重ねるごとに姿勢がしゃんとし、かくしゃくとしていた。
しかし、その後、生活様式がすっかり欧米化し、日本人がずっと受け継いできた日常の鍛練は
失われてきた。大半の日本人はもう、「日常の習慣が心技体の基礎作りと深くつながる」と
いうことに、気づきもしなくなったのではないか。

 残念ながら、アメリカは戦時中に気がついていた。研究に携わった当事者が証言している。
自分たちにない日本人の心の強さ、そして、アメリカにとって「脅威の的」である精神文化
を破壊する意図をもって、日本に対し、様々な施策を講じた。生活の欧米化もその一環と言
われている。


 子どもたちは無垢な可能性を秘めている。正しい姿勢を教え、文武両道を体感させ、実践を
重ねたら、きっと将来、日本を元気にする人材になるだろう。


宇城 憲治 師範 :ウィキペディア (Wikipedia)

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健康づくりにかかわる者にとって、衝撃的なタイトルですが「スポーツそのもの」を否定して
いるのではなく、子どもたちをとりまく「スポーツをする『環境』づくり(大人とのかかわり・
商業ベースへの偏り・地域による限られた選択肢)」に警鐘を鳴らしている内容だと捉えている。


【しらさん家】では「運動あそび教室」のはじめとおわりには『あいさつ・片付け:礼儀』と
『呼吸法(鼻呼吸):心・集中』にこだわって取組んでいる。

まだまだ「姿勢の良さ」という点では、これからのところもあるが日常の生活習慣の積み重ね
として、しつこく継続していきたい。


ジュニアとシニアの運動あそび塾 しらさん家 株式会社 笑足ねっと わらかしねっと

2009年6月19日金曜日

【NEC社会起業塾】第8期:参加団体募集

NEC社会起業塾

★エントリー期限:2009年7月1日(水)
★主催:NPO法人 ETIC.

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↓ETIC. サイトより:

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■□ 想いからはじまった「活動」を「事業」にする半年間 ■□

   ~~ NEC社会起業塾 第8期新規参加団体募集 ~~
           http://www.etic.or.jp/svip/

  主催:NPO法人ETIC./オフィシャルパートナー:NEC・横浜市

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 NEC社会起業塾では、問題解決を事業として進めていく事業型NPO・
 社会貢献型企業を、半年間に渡って総合的に支援していきます。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃【1】支援プログラム   ~事業を加速させる半年間~
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ・プロフェッショナルとともに行う事業戦略ブラッシュアップ
 ・事業拡大のための顧客・事業パートナーの紹介
 ・インターンシップをはじめとする人材コーディネート
 ・プロジェクト推進奨励金とPCの提供
 ・メディアへのPR支援

    ↓↓さらに詳しい内容はコチラ↓↓
   http://www.etic.or.jp/svip/about.html

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃【2】募集概要    ~社会を変える起業家を募集~
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ≪対象となる事業≫
  ・社会的問題の解決を目的としている事業
  ・継続的に実施し、拡大することを志向する事業
  ・IT技術やウェブサービスなどを活用することが想定されている事業

 ≪エントリー資格≫
  ・中心メンバーが35歳以下であること
  ・事業、もしくは事業に向けた準備がすでに進んでいること

  ※居住地域は問いませんが、都内で実施する発表会などのための
   交通費は、支援金からの出費をお願いします。

 ≪エントリー期限≫
  2009年7月1日(水)

    ↓↓さらに詳しい内容はコチラ↓↓
   http://www.etic.or.jp/svip/apply.html

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃【3】これまでの参加者  ~こんな方々が参加しています~
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ●NPO法人フローレンス 代表 駒崎弘樹 
  http://www.florence.or.jp/
(医療と保育を融合した新サービスによって子育て家庭をサポートする事業)

 ●NPO法人かものはしプロジェクト 代表 村田早耶香
http://www.kamonohashi-project.net/
  (カンボジアの子ども買春問題を解決するためのIT職業訓練学校設立事業)

 ●NPO法人音の羽根 理事長 馬渡徹郎
  http://otohane.net/
  (「音楽」×「IT」で新たな社会貢献のカタチを創造する事業)

 ●NPOコトバノアトリエ 代表 山本繁
  http://www.kotolier.org/
  (ニート・ひきこもりの就業問題解決のための事業)

 ●ケアプロ株式会社 代表取締役社長 川添高志
  http://carepro.co.jp/
  (1分血液検査を通して、定期検診の機会がない人の健康増進を図る事業)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃【4】エントリーはコチラ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 このNEC社会起業塾によって、事業をさらにステップアップしたいと考
 える方は、以下のページの募集要項をよくお読みになった上、フォーマッ
 トをダウンロードしていただき、7月1日(水)までに、
 incu@etic.or.jpまでお送りください。
 >> http://www.etic.or.jp/svip/apply.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 NEC社会起業塾 http://www.etic.or.jp/svip/
主催:NPO法人ETIC. / オフィシャルパートナー:NEC・横浜市
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お問合せ -> incu@etic.or.jp / 03-5784-2115(担当:石塚・佐々木)
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中心メンバーが35歳以下というエントリー資格のため当社の事業での挑戦は難しいところ!
(昨年度応募してみましたが、残念ながら×でした)

これまでの参加者はNHKをはじめ各メディアにも登場する機会が明らかに増え、この社会起業
塾への応募が事業の発展への相乗効果となっていったコトでしょう!


ジュニアとシニアの運動あそび塾 しらさん家 株式会社 笑足ねっと わらかしねっと

2009年6月16日火曜日

つなげる力:藤原 和博 著 【情報編集力】 その3

つなげる力(ちから):藤原 和博 著 2008/09/15 文藝春秋

【情報編集力】


藤原 和博 氏 (東京学芸大学客員教授 大阪府知事特別顧問 前杉並区立和田中学校校長)
藤原 和博 の よのなかnet

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↓本文より:

☆第4章 情報編集力のテクニック

「負の体験をおそれるな!」

 とくに、お母さんたちに言っておきたいことがある。
 「負」の体験をおそれるな!ということだ。
 読者は、「上手くいったこと」と「上手くいかず失敗したこと」のどちらが、あなた自身
を成長させたとおもうだろうか。
 たいていの人は、「失敗」からより多くを学んだはずだ。にもかかわらず、たいていの大人
は、子どもに失敗させないように先回りして条件を整えてしまう。
 はっきりいうが、ずっと居心地がよければ、子どもは大人になれないだろう。
 成長の機会というものは常に試練とともにあるからだ。
 年中エアコンのある部屋で育てたら、発汗作用や体温調節機能に重大なダメージが加わる。


 状況の変化に応じて持てるものを組み合わせ、力を発揮しなければならない成熟社会では
「情報編集力」が大事になってくるのだ。
 「負」の体験のない場所で育つはずはなかろう。
 人は誰だって傷つくことが怖い。大人だってそうだ。だからといって、ずっと「事なかれ
主義」では行き詰ってしまう。
 子どもたちには、小さな失敗や失望をくり返して少しずつ力をつけ、たくさんの自分物語
を生み出していってほしいと思う。



「テレビとケータイから逃れる」

 まだまだ、家庭でできることはある。テレビとケータイへの警告も発しておこう。
 家庭生活の中心にテレビを置くこと、小中学生にケータイを買ってあげること。
 この二つには十分注意してもらいたい。もし子どもがテレビやケータイ中毒にかかって
しまえば、間違いなく「集中力」にダメージを受けるからだ。


 いっぽう、テレビを見る時間を制限し、ケータイを自ら制限して使えるコントロール能力
を身につけたなら、それは人生をマネジメントする力にもつながっていく。
 「情報編集力」のベースになるのは、なんでも足して加えていくことではなく、むしろ
いらない要素を引いて減らしていって、いま大事なことのみに集中すること。
 テレビとケータイという便利なメディアは、この「集中力」という、子どもの頃に養えば
一生の財産になるものを奪うリスクをはらむのだ。
 「集中力」と「バランス感覚」は、子どもの頃に獲得させるべき、最も大事な能力では
ないかと思う。
 この二つはともに、よく遊ぶことで身につく副次的な能力でもある。
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柏崎市で取り組んでいる小中学生向けの「いきいきゲーム」という国別対抗のトレーディング
ゲームがある。

私は進行及び国連役としてかかわる機会を得ているが、そのゲームのはじめに3つの約束が
あり、その一番目が『失敗おめでとう!』だ。

成功の反対は失敗ではなく、『何もしないこと』…う~ん・大人たちにも伝えたい!!


また、『得意をいかそう』で4つの能力を振り返る一番目『自分で考え、(自分で)行動する』
【主体性】も部活や委員会活動でいきない「自主的に…」「リーダーシップを発揮しろ」と
言われても難しい。

でも【遊び】の場面ではどうだろうか?
やはり子どもの時から画面上のバーチャル世界だけではなく、ヒトと遊ぶ=直接肌で接し&
感じる機会・体験が重要だと考えるし、子どもたちの成長ぶりからも確信しているところだ。

子ども向け各コース(通常)


ジュニアとシニアの運動あそび塾 しらさん家 株式会社 笑足ねっと わらかしねっと

2009年6月15日月曜日

つなげる力:藤原 和博 著 【情報編集力】 その2

つなげる力(ちから):藤原 和博 著 2008/09/15 文藝春秋

【情報編集力】


藤原 和博 氏 (東京学芸大学客員教授 大阪府知事特別顧問 前杉並区立和田中学校校長)
藤原 和博 の よのなかnet

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↓本文より:

☆第4章 情報編集力のテクニック

「子どもたちのバランス感覚の危機」

 サッカーでボールを蹴ったら骨が折れた。転ぶときに手をつけられず、顔から転んで大けが
した。こうした、子どもたちの身体感覚のバランスの悪さについては、学校関係者には常々
報告される。
 コンクリートで埋め尽くされた都会には、安心して転べる土の空き地や芝のグラウンドは
ないから、思いっきり転ぶ機会は昔と比べて極端に少ない。また、道路がアスファルトで舗装
されているから、小さな子を転ばせないようにと、いきおい母親は手を引いて育てる。
 そうした物理的な環境の変化もあると思う。
 しかし、それより重大な変化は、世の中がチョー便利社会を指向して、環境に対してほとん
ど働きかけずともほしいものが手に入ってしまうシステムになってしまったことだろう。


 こうして子どもたちは、体のバランス感覚だけでなく、人間としてのバランス感覚にも
ダメージを受け続ける。自分と他人とのバランス感覚も、自分と世界とのバランス感覚も。
 放っておけば、いつまでも自分と世界とを関係づけることができないまま、見た目、カラダ
だけは大人になってゆく。



 だから、いま、「バランス感覚」を意識することがあらためて大事なのだと思う。
 自分の体をコントロールする感覚。地面やボールなどの道具との関係を保つチカラ。他者と
体をぶつける感覚。声がけによって自分の位置を知らせたり、なにかを受け渡してもらう技術。
自分の働きが他人に及ぼす影響。手や足や身体と世界との良好な関係の結び方について。
 こうしたことが、古くて新しい課題になってきた。
 カラダに養われたその感覚は、物理的なことだけではなく、対人関係などの精神的な
(スピリチュアルな)バランス感覚を豊かにする拠り所にもなるだろうから。
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運動あそび塾【しらさん家】では教室のはじめまたはおわりに、キンダーコースでは継ぎ足で
静止(かかととつま先をくっつけて立つ状態)、ジュニアコースでは片足立ちを目を閉じて毎回
必ず左右両方数秒間ずつ継続する実践をしている。

また、深呼吸の場面でも自分自身の呼吸に意識を向ける機会として、禅の要素・丹田腹式呼吸
につながるサポートを取り入れている。

こうした取り組みは直接的なカラダの『バランス能力』を向上・成長させる目的ももちろん
あるが、自分自身のココロ(スピリチュアル)・集中力への気づきが、自分の存在と他人との
関係づくりにもつながっていくコトを少しずつでも伝えていければと考えている。


夏休み特別短期コース

■あそびまくり5日間コース
  A 7/27(月)・28(火)・29(水)・30(木)・31(金) 10:00~12:00

■おためし2日間コース
  B 8/3(月)・4(火)  C 8/17(月)・18(火) 10:00~12:00

においても多くの子どもたちに自分のココロとカラダに向き合う・見つめる体験づくりへの
支援をしていきます。


ジュニアとシニアの運動あそび塾 しらさん家 株式会社 笑足ねっと わらかしねっと

2009年6月12日金曜日

つなげる力:藤原 和博 著 【情報編集力】 その1

つなげる力(ちから):藤原 和博 著 2008/09/15 文藝春秋

【情報編集力】


藤原 和博 氏 (東京学芸大学客員教授 大阪府知事特別顧問 前杉並区立和田中学校校長)
藤原 和博 の よのなかnet

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↓本文より:

☆第3章 正解のない問題に取り組む

『情報処理力』:読み書きソロバンに代表されるように、脳のメモリーの中にたくさんの正解
パターンを詰め込んでいくと高まる能力

『情報編集力』:過去の経験や知識、技術のすべてを組み合わせ、正解が一つとは限らない
問題に対して状況に応じた納得解を導くチカラ ⇒ 成熟社会には大事になる。



☆第4章 情報編集力のテクニック

「家庭では何ができるのか」

 自分の子に「情報編集力」をつけてあげるためには、家庭内では何ができるのか、という
話をしておこう。
 よく、幼児や小学生のうちに何をしておかなければならないかという質問をしてくる親が
いる。たぶん、漢字や計算練習とか英語とか、あらゆる早期教育をイメージして聞いてくる
のだとは思う。
 が、私なら迷わず「遊ぶこと」だと答えるだろう。
 10歳までは間違いなく、「遊ぶこと」から圧倒的に多くのことを学ぶ。自分の来し方を振
り返れば、誰だって納得がいくはずだ。
 じつは、私にはそれ以降、中高生はもちろん大人になっても「遊ぶこと」からより多くの
学びを得ているのではないか、という実感もある。


 大人になってから、関係性に強い人、つまり、何と何が意外にも上手く「つながる」かに
ついて、イマジネーションがあふれるように出てくる人に共通するのは、子どもの頃、よく
遊んでいたことだ。


 遊びでは、予期せぬ状況の出現や予期せぬ出逢いが連続して起こる。


 こんなふうに「遊び」は、「多様で」、「複雑で」、「変化が激しい」。


 つねに、やってみなければわからない要素が強く、無限の修正をかけなければ、あっという
間につまらなくなる。遊びそのものが「予定調和」とはほど遠く、したがって「正解主義」で
通せるはずもなく、本質的に「修正主義」にならざるを得ない。だから、いい。
 成熟社会を生き抜く技術が、すべて隠されているからだ。 
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運動あそび塾【しらさん家】と全国展開されている体育教室や体操教室との違いはココかも
しれない?

予測の部分も多いが、跳び箱、鉄棒、なわとび、マット運動等ができるようになるサポートを
めざす場面(学校の体育でみんなと一緒・人並みには!)ではメニュー・プログラムが固定化
され、おそらくある程度結果が要求されているため大部分がマニュアルに基づいた運営で、
効率化(なるべく早く難易度の高いなるべく多くのできる種目を)が図られていることだろう。

【しらさん家】の基本は「鬼ごっこ」と「(相手との・仲間での)ボール運動」⇒『遊び』で、
子ども達の提案によるルール変更も頻繁だ。
教室においてほとんどの時間が自分以外のヒトとのかかわりの中で展開されている点が大きな
特徴だと考えている。


夏休みには小学生向けの企画で
~自分たちでやり遂げる3日間!~「お友達と野外調理にチャレンジ」を開催!!

まさに人生はじめての経験をどう切り抜けるか⇒みんなのこれまでの体験を「つなげる
チカラ」が問われる場面が、どう子どもたちの成長につながっていくか期待がふくらみます。


ジュニアとシニアの運動あそび塾 しらさん家 株式会社 笑足ねっと わらかしねっと