2009年8月24日月曜日

目に見えない資本主義:田坂 広志 著 【日本型経営】 その1

目に見えない資本主義:田坂 広志 著 2009/08/06 東洋経済新報社

貨幣を超えた新たな経済の誕生


田坂 広志 氏 (多摩大学大学院教授) Wikipedia

シンクタンク・ソフィアバンク代表
公式サイト「未来からの風フォーラム」
公式ブログ「新しい風」


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↓本文より:

☆第九話 「見えない資本」を見つめていた日本型経営

 ◎「見えない資本」が見えなくなった現代の経営者


 「共感経済」へのパラダイム転換とは何であったか。

 これから「知識経済」が「共感経済」へとパラダイム転換を遂げていくが、この「共感
経済」という新たな経済に処するためには、何よりも、「共感資本」(empathy capital)と呼ぶ
べきものを重視しなければならない。
  「共感資本」とは、

 知識資本(knowledge capital)
 関係資本(relation capital)
 信頼資本(trust capital)
 評判資本(brand capital)
 文化資本(culture capital)

 といった「目に見えない資本」のことであるが、「共感経済」においては、こうした「目に
見えない資本」を評価し、増大させていく力が企業の経営者に求められる。

 しかし、残念ながら、すでに知識経済や共感経済の時代に突入して久しいにもかかわらず、
そうしたことを重視する経営者は、増えていない。
 その最大の原因は、グローバル資本主義における、企業評価の基準にある。
 こうした「目に見えない資本」が重要になっているにもかかわらず、いまだに株式市場に
おける企業の評価は、財務諸表に表される「目に見える数字」を中心として行われている。
 そのため、上場した企業の経営者の多くは、「目先の数字」に目を奪われ、経営が短期的
視点に偏り、視野狭窄に陥ってしまっている。
 このことは、すでに多くの識者の指摘するところであり、市場原理を標榜するグローバル
資本主義が、新技術の開発、人材の長期的育成、良好な企業文化の醸成、消費者との信頼関係
の確立、などの点で、大きな問題を抱えているとする批判が、数多くされている。


 ◎成熟とは、「見えない価値」が見えること


 しかし、今回のサブプライム問題を契機に、こうした短期的な数字重視の経営への反省も
なされており、経営をもっと長期的視点で行うことの重要性も認識されつつある。
 では、「共感経済」において重要になる、知識資本、関係資本、信頼資本、評判資本、
文化資本といった「目に見えない資本」を評価し、増大させていくためには、経営者はどう
すればよいのか。
 実は、顧みるならば、かつての日本型経営においては、こうした「目に見えない資本」を
評価し、それを増やしていくことが、経営者の重要な役割とされてきた。
 なぜなら、かつて日本企業の優れた経営者は、次のようなものを大切にしてきたからである。

 「社員の目の輝き」「社員の働き甲斐」「職場の空気や雰囲気」「社員の和」「企業の
文化」「顧客への共感」「社会からの信頼」「世間の評判」

 かつての優れた経営者は、そういった「目に見えない価値」を大切にしてきた。これらは、
「財務諸表」には載らない価値であるが、優れた経営者は、そうした「目に見える数字」に
表れない価値こそ、深く見つめてきた。
 そして、かつての日本型経営の素晴らしさは、こうした「経営者」の存在だけではなかった。
 その企業で働く「管理職」や「社員」が、やはり「目に見えない価値」を大切にしてきた
のである。



☆第十話 「社会貢献」と「利益追求」を統合していた日本型経営

 ◎「社会貢献」と「利益追求」の矛盾に、どう処するか


 「貨幣経済」から「自発経済」へのパラダイム転換。
 これは、いかなるパラダイムの転換であったか。
 
 これまでの社会においては、「マネタリー経済」(貨幣経済)が圧倒的な主流の経済原理で
あった。「貨幣の獲得」を目的として人々が活動する経済である。
 しかし、1995年頃に起こったインターネット革命によって、これまで「陰の経済」の位置
に置かれていた「ボランタリー経済」(自発経済)が、急速に、その影響力を増大してきた。
善意や好意など、「精神の満足」を目的として人々が活動する経済である。

 このマネタリー経済とボランタリー経済の融合の流れは、市場においては、すでに現実の
動きとなっている。
 では、この「融合経済」への流れは、現実の企業活動において、どのような形で起こって
いるのか。

 一つが、企業の社会的責任(corporate social responsibility)の潮流。
 もう一つが、社会起業家(social entrepreneur)の潮流である。

 すなわち、CSRの潮流とは、ある意味で、マネタリー経済がボランタリー経済を取り入れて
いく動きであり、社会起業家の潮流とは、逆に、ボランタリー経済がマネタリー経済を取り
入れていく動きに他ならない。
 もう少し具体的に言えば、CSRの潮流とは、「営利企業」が、利益追求だけを目的にする
のではなく、「社会貢献」を重視していく動きであり、社会起業家の潮流とは、逆に、
「非営利組織」が、その社会貢献の事業を長期的に継続していくために、その事業そのもの
から「利益」を生み出していく動きである。
 すなわち、CSRと社会起業家という二つの潮流は、いずれも、企業や組織のレベルで見る
ならば、これまで対立的なものと考えられてきた「利益追求」と「社会貢献」を統合して
いく動きに他ならない。


◎すでに「社会的企業」を体現していた日本型経営


 「企業の目的とは何か」や「経営者の任務とは何か」という議論は、理念のレベルでの
「神学論争」をするよりも、むしろ、現実の企業の動きによって、一つの答えが生まれつつ
ある。
 なぜなら、いま、世界の資本主義の最先端において、「利益追求」と「社会貢献」を統合
した、新たな企業像が生まれているからである。
 それは、何か。

 「社会的企業」(social enterprise)である。
 すなわち、いま、CSRと社会起業家という動きが世界中に広がっていくに従って、単なる
「営利企業」でもなく、単なる「非営利組織」でもない、社会貢献のために事業を行い、
その事業を継続していくために、その事業から自立に必要な利益を上げていく「社会的企業」
と呼ばれる企業像が生まれているのである。
 そして、こうした企業像は、「社会起業家」すなわち、社会貢献を目的として新たな事業
を立ち上げる人材像と、丁度、コインの裏表のような動きとなっている。

 しかし、こうした「社会的企業」や「社会起業家」という企業像や人材像を語ると、日本人
の多くは、やはり、不思議な感覚を覚えるのではないだろうか。
 なぜなら、先ほど日本型経営のところで述べたように、日本人の勤労者の多くは、実は、
企業の究極の目的は「社会貢献」であると思っているからである。むしろ、自分の働いている
企業を、「利益を上げることを究極の目的とした営利企業」であると思って働いている人々は、
少数派であろう。
 例えば、この国においては、「あなたの企業は、どのような企業ですか」と聞くならば、
どのような企業の社員であっても、その多くが「我々の企業は、これこれの事業を通じて
社会に貢献する企業です」と答える。


 その背景には、日本人独特の「企業観」がある。
 「企業は、本業を通じて社会に貢献する」という企業観である。
 すなわち、我が国においては、「利益追求の営利企業」と「社会貢献の非営利組織」という
二項対立的な捉え方は、あまり存在していない。
 むしろ、日本人の企業観は、すでに遥か以前から「社会貢献」と「利益追求」を統合した
「社会的企業」のビジョンを先取りしたものであった。いま世界の資本主義がめざし始めた
「社会的企業」のビジョンを、日本という国は、すでに体現していたのである。

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引用が長くなってしまったが、「目に見えない資本⇒コトの価値創造」への対価で成立する
ビジネスモデルへの挑戦も、こんなカタチで少しずつでも目を向けられてくるのかなと感じ
我々の取り組みはねばり強く地道でも継続していかなくっちゃ!と改めて決意を強くできた。


ジュニアとシニアの運動あそび塾 しらさん家 株式会社 笑足ねっと わらかしねっと

FJC.N公開講座@福祉住環境コーディネーターネットワーク

第9回 FJC.N公開講座

主催:福祉住環境コーディネーターネットワーク


はる が村上先生の講演の合間に『運動あそび』の実践をお手伝いさせてもらいます。
その後、私が【笑足ねっと】の概要と関連をちょっぴり説明する機会があります。

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↓案内チラシより

≪基調講演≫
「長寿社会と工学技術」
~やさしい生活環境のために情報電子技術ができること~

講師:村上 肇 教授 (新潟工科大学 情報電子工学科)

 健康で長生きしたいのはみんなの願いです。そして、工学技術を積極的に使うことで、
よりよい生活を送ることが可能になってきています。そのような「生体医工学」と呼ばれる
分野の考え方や生活の中で身近な例などを紹介していきます。


日時:2009年8月29日(土) 13:30-15:00頃 (開場 12:30)

場所:柏崎エネルギーホール

入場無料 (一般の方のご参加も大歓迎)


後援:新潟県、柏崎市、刈羽村、(福)新潟県社会福祉協議会(福)柏崎市社会福祉協議会
   新潟工科大学新潟産業大学


連絡先:柏崎地区事務局 (株)イシザカ 内 TEL:0257-23-2151

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柏崎地区事務局の石坂 社長と(【笑足ねっと】の会員さんにも協力いただき進めている)
共同研究(動的バランス測定器の開発 等)をしている村上先生よりお声掛けいただき、
連携させてもらうコトになりました。

『運動あそび』の魅力を関連の方々に直接お伝えできるチャンスに感謝し、多くの参加者に
実践を通して、自分らしく愉しむ実感を持ってもらえればと考えています。


ジュニアとシニアの運動あそび塾 しらさん家 株式会社 笑足ねっと わらかしねっと

【イノベーション・グラント】2009年第2期:募集

イノベーション・グラント

★応募期限:2009年9月15日(火)
★主催:NPO法人 ETIC.

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↓ETIC. 案内メールより:

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●フロンティアを切り拓いてきたベンチャー経営者との
            コラボレーションで社会に新しくコトを起こす!!

  ━━ 社会課題の解決に挑む協働プロジェクト・事業を募集 ━━
         イノベーション・グラント2009

 ~事業コラボ、資金、起業家メンター等をフル活用したステージ・アップ~
------------------------------------------------------------------------------
主催:NPO法人ETIC. 
パートナー:スリープログループ,イデアインターナショナル,ピースマインド
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                        http://www.i-grant.jp/

イノベーション・グラントとは、志と情熱を持ち、社会の現場・前線で課題解決
に挑み続ける社会起業家・NPOが、フロンティアを切り拓いてきたベンチャー経
営者とともに、新たな社会イノベーションを仕掛ける創発プラットフォームです。

志の高いベンチャー経営者が提供するビジネスインフラ、ノウハウ、ネットワー
ク、資金を駆使し、将来を担う若手社会起業家・NPOが、社会を変えるプロジェ
クトの創造に挑戦する場です。

●イノベーション・グラント特徴
……………………………‥‥‥‥‥‥・・・・‥‥‥‥‥……………………………
                   http://www.i-grant.jp/what.html
【1】社会起業家・ベンチャー経営者による経営支援・メンタリング

ゼロから創業し、影響力のあるビジネスを育ててきたベンチャー企業経営者が、
メンター(応援者・支援者)役となり、事業戦略を強化、起業家としての成長の支
援をします。

【2】 ビジネス連携とイノベーションの創出
        (新たなプロジェクト創出、異分野コラボレーションなど)

ベンチャー企業経営者・有志で集った社員とのコミュニケーションを通じて企業
を巻き込みながら、また社会起業家同士も繋がることで、新規協働事業・プロ
ジェクトを創造し、社会課題に挑む組織・プロジェクトを加速します。

【3】 事業・プロジェクトに資金提供
資金の獲得によりステージアップが望める事業・プロジェクトには、1件につ
き、資金提供を行います。
※東京都イノベーション創出助成金の申請支援の資金調達もサポートします。

●エントリー・応募方法
……………………………‥‥‥‥‥‥・・・・‥‥‥‥‥……………………………
                    http://www.i-grant.jp/offer.html
・応募対象
 NPO法人・株式会社・LLC・任意団体など法人格は問いません。
 スタートアップ部門、イノベーション部門の両部門で募集しています
  
・応募期間(2009年第2期):2009年8月10日~9月15日(火)
 (2009年第3期の〆切は、1月中旬を予定しております。)

・応募方法
 下記のページより応募書類をダウンロードして応募してください
 http://www.i-grant.jp/offer.html#offer_about_link
 *応募〆切は9月15日(火)18時になります

●パートナー企業
……………………………‥‥‥‥‥‥・・・・‥‥‥‥‥……………………………
                  http://www.i-grant.jp/partner.html
イノベーション・グラントの取り組みに共感し、ご参画いただいている企業・団
体です。パートナー企業は、経営者・社員が共感した団体との協働を行います。
協働先の課題の発見や目標の設定を行ないながら、それぞれの役割の中でサポー
トし、協働事業の実現に参画します。

・スリープログループ株式会社
                      http://www.threepro.co.jp/
スリープログループは、ITを始めとする成長市場の創造と人材育成支援を行う
『市場創造型人材サービス』を提供する会社です。市場が求めるサービスを提供
するだけでなく、市場を先読みし、潜在的ニーズを顕在化し、新しく生まれよう
とする市場そのものの創造を支援します。
※高野社長の想い → http://www.i-grant.jp/interview_2.html

・株式会社イデアインターナショナル
                       http://www.idea-in.com/
イデアインターナショナルは、「人々の生活を豊かにするライフスタイルカンパ
ニー」です。社会起業家・フェアトレード支援の「アグロナチュラ」、デザイナー
支援の「TAKUMI」プロジェクト、リサイクル材を原材料にし、障害者の方々の
創造性を引き出す「BONBONアクサリー」を手掛けた「YUENTO」などの
自社プロダクトブランドによる社会貢献性のある商品づくりを展開しています。
※橋本社長の想い → http://www.i-grant.jp/interview_1.html

・株式会社ピースマインド
                    http://www.peacemind.co.jp/
ピースマインドは、高度な専門性を生かしたメンタルヘルスサービスとカウンセ
リングの株式会社です。EAP(従業員支援プログラム)およびメンタルヘルス専門
のコンサルティング企業として、個人、組織をサポートする様々なサービスを展
開しています。
※荻原社長の想い → http://www.i-grant.jp/interview_3.html

■イノベーション・グラント 2009年 第1期(参加団体)
……………………………‥‥‥‥‥‥・・・・‥‥‥‥‥……………………………
5月15日に〆切、3ヶ月間の選考期間を経て、パートナー企業3社と
今後連携を強化して、新しい社会変革を起こしていく3団体をご紹介します。

・農家のこせがれネットワーク(NPO法人申請中)代表理事 宮治 勇輔 氏
                         http://www.re-farm.jp/
農家プロダクション!生産からお客さんの口に届けるまでを農家が一貫して
プロデュース一次産業をかっこよくて・感動があって・稼げる3K産業にする、
新しい農業標準づくり。

・NPO法人KOMPOSITION 代表理事 寺井 元一 氏
                         http://komposition.org/
「まちづくり」×「クリエイティブ」住人に新しい街づくりのアイディアを、
クリエイター、アーティストに生き生き活動する場を提供。

・株式会社K2インターナショナル 統括責任者 岩本 真実 氏
                        http://www.k2-inter.com/
にこまる【250】食堂 プロジェクト!250円であったかくて、おいしいごはんが
食べられる無店舗食堂を展開。安心できる食事を通して若者支援を社会運動化する。

●お問い合わせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■イノベーション・グラント(事務局:NPO法人ETIC.)
 担当:佐々木・加勢・芳賀           http://www.i-grant.jp/
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-5-7 APPLE OHMIビル4階
TEL:03-5784-2115 FAX:03-5784-2116 mail:info@i-grant.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ INNOVATION GRANT ━
またETIC.では、「イノベーション・グラント」以外にも
起業支援プログラムを実施しております。こちらもご覧いただければ幸いです。
http://www.etic.or.jp/incu/index.php

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 本プログラムでは社会起業・NPO×ベンチャー企業が協働を起こしていくこと
を目的としたプラットフォームを創出。

 その中で、企業によるあらゆるネットワーク(経営支援・資金提供・事業連携)
の提供を実施。

 ETIC.では、より多くの方々に今回のプログラムについて知っていただければ
とPRに力を入れており、私もお声掛けいただき協力させてもらいます。


ジュニアとシニアの運動あそび塾 しらさん家 株式会社 笑足ねっと わらかしねっと

2009年8月5日水曜日

社会起業家がもたらすもの@上越JC

創立45周年記念事業 分科会 ①【人財開発】
すべての人が笑顔でいられる地域を目指して! ~社会起業家がもたらすもの~

社団法人 上越青年会議所


私はパネラーの一人として、人財開発委員会 田中 一裕 委員長 よりお声掛けいただき
参加予定です!!

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↓案内チラシより

皆さんは社会起業家という言葉をご存じでしょうか?
近年注目を集めるこの言葉はビジネスの手法によって、社会の問題を解決したり、人々の
幸せを考え行動する人々を指します。本来は当たり前のこの考え方に、すべての人が笑顔
でいられる地域を創造する力があると我々は考えています。
社会起業家がもたらすものが如何なるものか。そしてそれが我々にも実践できるということを
社会起業家の第一人者でもあるNPO法人 ETIC.代表理事 宮城 治男 氏 よりお話しいただき
ます。当日はそれを実感できるプログラムも用意致しております。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。


日時:2009年8月29日(土) 9:30-11:55 (9:00~受付) 11:20-11:55…宮城 氏 名刺交換会

場所:上越市市民プラザ
   上越市土橋1914 TEL:025-527-3611

定員:80名 入場無料 (定員になり次第締め切り)

講師:NPO法人 ETIC. 代表理事 宮城 治男 氏


共催:財団法人 にいがた産業創造機構

後援:上越商工会議所


尚、分科会に参加するには事前の申し込みが必要です。
http://joetsujc.com

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【社会起業家】に対する認知度が拡がっていくきっかけにつなげられればと考え
積極的に協力させてもらいます。


ジュニアとシニアの運動あそび塾 しらさん家 株式会社 笑足ねっと わらかしねっと