朝日新聞 社説 2009/05/11(月)
【社会起業家】 新しい働き方を育てよう
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↓記事より:
もうけ第一、成長優先でやってきたひずみが社会のあちこちに出ている。しかし、それを
是正すべき行政はお役所仕事で非効率だし、しゃくし定規でかゆいところに手が届かない。
そんな問題を解決しようと試みているのが、社会起業家とか社会的企業と呼ばれる存在で
ある。
欧米では80年代から始まっていた。世界を股にかけ、貧困や戦争被害などに取り組んで
いる。バングラデシュで貧しい女性に少額のお金を融資して自立を促すグラミン銀行がノー
ベル平和賞を受け、社会起業家の存在が広く知られるようになった。日本でも、そんな取り
組みが広がってきた。
■福祉を採算にのせる
福祉のような仕事を、企業らしい創意工夫や効率のよさで採算ベースにのせるのが、社会
起業家の新しい点だ。採算にのるから事業を広げやすく、サービスを受けられる人も増える。
日本資本主義の父、渋沢栄一は「論語と算盤(そろばん)」を人に説いた。事業採算と社
会貢献を両立させる考え方は、日本に古くからあった。
いきなり社会起業家になるのは難しい。夢や善意や忍耐だけでは務まらない。NPOは全
国に3万6千以上あるが、採算がとれているものは少ない。
■サラリーマンも変わる
会社の周辺に社会貢献できる問題を見つけ、事業に取り込む。そこで大事なのは、問題を
発見し、解決する能力だ。こうした力は、あらゆる職場で求められている。働きながらスキ
ルを磨き、人脈を増やしてから、いずれ起業するのもいいだろう。
若者の間には、競争に明け暮れる社会から逃れたいという意識もあろう。それでも、社会
起業家の出現は社会の「復元力」の表れだと考えたい。彼らは日本が築き上げた豊かさの申
し子なのだ。
戦後の成長を支えたのは、企業社会にどっぷりつかった「会社人間」だった。それが崩れ
て久しい。新しい生き方・働き方が育つよう応援したい。
■本当の豊かさへつなぐ
社会起業家が必ずといっていいほど苦労するのが、行政の無理解だ。貧しい人を食いもの
にするような「貧困ビジネス」が増え、まともな社会的企業との区別が難しい事情もあるだ
ろう。
しかし、彼らを行政の縄張りを荒らす侵入者とみる傾向が根強いからでもある。そうでは
なく、行政の手の届かない問題を効率よく解決するパートナーとして受け入れ、いまある制
度や規制の問題点を洗い出し、改革する力を生かさなければいけない。
既成の枠組みに守られた人々は、この新参者を排除せず、むしろ自分たちも変わっていく
契機にしてほしい。
物質的には世界有数の豊かさを獲得した日本で、さまざまなシステムが制度疲労を起こし
ている。それを解決し次の経済社会の姿を見つけることが、本当の豊かさにつながるはずだ。
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「ココロの豊かさ=笑顔つながり」という目に見えない『コト』にお金を払う・買う!こと
には、大きな抵抗があるのは仕方がないでしょう!
だから今までは「生きがいづくり」は、地域・行政が担ってきた分野なのかもしれない?
これからは民間による「より良く生きるサポート=新しい感性価値」を買ってもいいかな!
という選択肢も求められてくると確信しており、まだまだ我々の「つなぎ役=働き方」を
もっともっと伝え続けていかねばと…考えている。
2009年5月12日火曜日
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