脳トレ神話にだまされるな:高田 明和 著 2009/06/10 角川グループパブリッシング
高田 明和 氏 (浜松医科大学 名誉教授・昭和女子大学 客員教授)
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↓本文より:
☆第四章 本当の脳トレは毎日の生活のなかにある
三、「脳を鍛えるための三つの習慣」
●脳細胞は何によって増えるか
脳細胞が高齢になっても増えるということがわかると、さらに増やす刺激が探られました。
その結果、次の三つの要素が細胞の増殖を促進することがわかったのです。
一つめは運動です。運動は海馬の細胞を増やすだけでなく、シナプスを増やす役割も担って
いるので、脳の刺激には非常に効果的です。
二つめは、刺激のある環境で生活することです。動物などの場合には遊び道具があるところ
で生活させると、高齢になっても脳細胞が増えるということがわかっています。仲間と付き
合ったり、一緒に合唱をしたり、山歩きをしたりすることは、脳の活性化に非常によいと思わ
れます。
三つめは、頭を使うことです。しかし、前にも述べたように嫌々やったり、苦しい過去を
思い出すようなことは逆効果です。楽しく頭を使うことが大事です。
呆けを防ぐうえでもっとも効果がある趣味が、欧米ではチェス、日本では囲碁・将棋でしょ
うか。また、多人数でやるブリッジのようなトランプゲーム、日本ならばマージャンなどで
しょう。そのほかにも、読書、クロスワードパズルなどが呆けを防止するのに効果がありま
す。
運動は、子どもの脳の機能の昂進にも役立ち、高齢者の呆けの防止にも役立つようです。
子どもでも大人でも運動することで、算数、読み方などの点数が上がります。これは運動能力
があるということとは関係ありません。体を動かすことが大事です。運動することで、脳由来
神経栄養因子(BDNF)が脳細胞を刺激すると考えられています。
さらに大事なことは、激しい運動は必ずしも認知症を防がない、ときには認知症を引き起
こすということです。登山、自転車競走、階段を何回も上り下りするということは、認知症
を増やすと考えられています。
一方、ダンス、家事、散歩、水泳などは、認知症を防ぐ効果があるという結果も出ていま
す。あまり激しい運動は逆効果で、家で簡単にできる運動、あるいは家事などでも脳が活性化
し、呆けを防ぐ効果があるということです。
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最近70歳前後の女性で、少し前までスポーツクラブ等でエアロビをされていた方が参加される
ようになりました。一度ご体験をされ、年相応の運動に切り替えていければというニーズに
フィットしたようで、継続して通ってみましょう!ということで新たな『運動あそび』への
スタートをきられます。
運動あそび塾【しらさん家】の『お達者コース』仲間のみなさんは70歳前後の年齢の方が中心
で、「一人ではなかなかできない・続けられない運動」を『みんなで愉しむ⇒笑顔つながり』
にこだわった内容をお一人おひとりがそれぞれご自分らしく愉しんでおられます。
著書のなかにある「運動・遊び」「仲間とのつきあい」「楽しく頭を使うこと」の要素が
【しらさん家】の『運動あそび』にはバランス良く取り込まれていると考えています。
これまで当社では「脳トレ」「認知症予防」というコトバを私が個人的にあまり好きでは
ないため、あまり使用してきていませんが、『脳を鍛えるためのコトづくり』としてみな
さんに伝わりやすい・一般的な表現だとすれば何らかの活用も検討していかなくっちゃ!
とこの本との出合いで少し柔軟になれそうかな…?といった感じです。
(一人のDSじゃなくて、「みんなと一緒⇒だからこそ!」を付け加えた「脳トレ」として)
2009年7月3日金曜日
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